LNP 雑感
創薬(wet)アドベントカレンダー 2021 3日目記事。
今年は創薬シーンで LNP の活躍を表立って目にする機会が急に増えた年だった。核酸医薬は DDS の困難さが長年 大きなハードルの1つだったが、コロナ禍において mRNA ワクチンをこれだけ成功させた立役者の1つは LNP だったといっても過言ではない気がする。
そのほか、研究段階ではあるが遺伝子編集を治療応用する試みにおいても LNP の活用を今年何度か見かけた。
病因遺伝子を遺伝子編集でノックダウンする治療の PoC をカニクイザルで成功させたという報告。
— 叢雲くすり(創薬ちゃん) (@souyakuchan) 2021年5月24日
脂質ナノ粒子に adenine base editor 8.8-m (ABE8.8) の mRNA と gRNA を梱包し、静注。標的遺伝子の第1exon-intron境界のアデニンを A→G 編集し、スプライシング不全を起こさせてノックダウンする。 https://t.co/7Evau4ktx9
CRISPR による遺伝子編集をヒトのトランスサイレチンアミロイドーシスに適用した報告。
— 叢雲くすり(創薬ちゃん) (@souyakuchan) 2021年6月27日
トランスサイレチン (TTR) を標的とした sgRNA と Cas9 の mRNA を梱包した LNP を静注で肝臓に送達、TTR を indel フレームシフトでノックダウンする。https://t.co/iJ6APv1RXqhttps://t.co/XuMMfo1kKh https://t.co/6HvaJg2hKB
ラボで使えると便利そうだが、LNP 自体の組成や粒径の制御など作り方のノウハウもかなり奥が深そうなので技術のあるところと組まないとなかなか難しいか。