創薬アドベントカレンダー

BLOOD 115. Self-Phlebotomy

創薬(wet)アドベントカレンダー 2021 8日目記事。 自分でワクチン接種後の抗体価の推移を観測できる機会はなかなか無く、せっかくなのでひたすらセルフ採血した記録。 ・初回接種後しばらくはまだ免疫はついていないから気を緩めてはいけない・2回接種で抗…

パープル・ヘイズ・トランスフェクション

創薬(wet)アドベントカレンダー 2021 7日目記事。 今年は LNP 製剤の活躍が目立っていたが、核酸の導入と言えば AAV も引き続きホット。 指向性進化法で筋組織にデリバリーできるAAVカプシドを取得。Arg-Gly-Aspモチーフでインテグリン経由で入るとのこと。…

#ChemTwitter

創薬(dry)アドベントカレンダー 7日目記事。 タイムラインで見かけた構造式、そのまま自分でイチから描き直すのは面倒。 構造式を手描きして、そのまま続けて構造を編集可能な形でシェアできるようにツイートボタン付き。逆合成ちゃん @retrosynthchan にそ…

EXA 初号機

創薬(dry)アドベントカレンダー 6日目記事。 世界で初めて exaFLOPS (10¹⁸ FLOPS) の演算性能を持つ計算機になったのは、分子動力学計算機だった。 Folding@home で SARS-CoV-2 の構成タンパク質を片っ端から分子動力学計算した結果のまとめ。シミュレーシ…

第21話 キルア vs. ジョネス

創薬(wet)アドベントカレンダー 2021 6日目記事。 目的化合物の合成は、基本的には「断片を繋いでいく」作戦が普通だが、それとは違った Skeletal Editing (骨格編集) という括りの反応が今年になって何度か報告されていたのでまとめ。 2級アミンから窒素…

The I in the Alphabet.

創薬(dry)アドベントカレンダー 5日目記事 (ポエム)。 この小説は読んだことはあるだろうか? www.kadokawa.co.jp 軽くネタバレになるが、「標的を与えると計算によって完璧な治療薬を創製する」無敵の創薬ソフトウェアが登場する。アミノ酸配列から立体構造…

リポジショニングの pitfalls

創薬(wet)アドベントカレンダー 2021 4日目記事。 パンデミックに急いで対応するためになるべく薬を早く使えるようにと、COVID-19 治療薬探索ではリポジショニングを目指した既存薬剤のスクリーニングが盛んに行われた。動態や安全性等が分かっているので、…

AlphaFold2 GPU メモリ使用量測定

創薬(dry)アドベントカレンダー 4日目記事。 AlphaFold2 の推論フェーズでアミノ酸配列長に応じた GPU メモリが必要になる。RAM にスワップして実行させることもできるがとても遅くなるので、GPU メモリに載り切ってくれたほうがよいのだが、Multimer 予測…

LNP 雑感

創薬(wet)アドベントカレンダー 2021 3日目記事。 今年は創薬シーンで LNP の活躍を表立って目にする機会が急に増えた年だった。核酸医薬は DDS の困難さが長年 大きなハードルの1つだったが、コロナ禍において mRNA ワクチンをこれだけ成功させた立役者の…

AlphaFoldology

創薬(dry)アドベントカレンダー 3日目記事。 昨年の CASP での無双ののち今年 OSS として公開され、一世を風靡している AlphaFold2。様々な応用や裏技が SNS 上で日々議論され、プレプリントもどんどん出てきている。 本邦が誇るタンパク質計算科学アルファ…

PROTACs™ の最適化要素

創薬(wet)アドベントカレンダー 2021 2日目記事。 Undruggable とされてきた標的の中には、阻害しようとしてもダメで、病因となる分子自体を消し去らないと解決しないものがある。遺伝子編集でどうにかしようといった試みなども進んできているが、低分子に…

創薬ソフトウェアスイート

創薬(dry)アドベントカレンダー 1日目記事。 ウデの立つ方々は自作コードで様々なソフトウェアをゴリゴリ使いこなせばよいわけだが、ゴリゴリ書けない人でもポチポチやれば定型的な作業はできるようになっている商用ソフトウェアスイートが色々あるのでメジ…

covalent inhibitor 探索

創薬(wet)アドベントカレンダー 2021 1日目記事。 標的と共有結合するタイプの薬剤は以前からあるが、難しい標的に対して共有結合性薬剤を開発する例が近年増えてきている印象があるのでメモ。 例えば長年 undruggable な難しい標的であった KRAS に対して…